支援アーティスト関朋岳さん(Vn)と、関さんにお招きいただきました村尾隆人さん(Vn)、和田志織さん(Va)、原宗史さん(Vc)にご出演いただき、弦楽四重奏のコンサートを開催いたしました。
プログラムはベートーヴェンの弦楽四重奏曲第4番と第16番で、ベートーヴェンの初期と最晩年の弦楽四重奏曲を聴ける贅沢なものでした。
ベートーヴェンにとって交響曲は彼の芸術を大衆に聴かせる大規模な世界だとしたら、弦楽四重奏はもっと親密で人生に起こる喜怒哀楽、友情、愛情、様々な人間関係の中で交わされる繊細な感情、大胆な思考など、様々なことを音楽で語っているような気がします。

今回の演奏聴いて、弦楽四重奏というものがいかに緻密で深い世界なのかということをひしひしと感じました。
ベートーヴェンがその生涯にわたって創作し続けた「弦楽四重奏」というジャンルですが、第4番はベートーヴェンが30歳の頃の初期の作品。
交響曲「運命」やピアノソナタ「悲愴」の調整であるハ短調で書かれていることも大変興味深く、ベートーヴェンの感じていたであろう自分の運命に想いを馳せながら聴きました。
第16番はベートーヴェンの死の5ヶ月前、最晩年の作品で最後の弦楽四重奏曲でもあります。偉大な作曲家の人生がまさに幕を閉じる時の音楽はこんなにも世界を達観しているのかと、演奏を聞きながら鳥肌が立ちました。

深い信頼と強い絆で結ばれた素晴らしい演奏をご披露くださいました、関さん、村尾さん、和田さん、原さん、本当にありがとうございました。
お越しいただいた皆様にもベートーヴェンの世界を感じていただけたことと思います。
今後とも皆様のご活躍を応援しております!
