2021年7月4日(日)銘楽堂の竣工式が行われ、チェリストの坂井武尊さんと一緒に記念コンサートを行いました。竣工式の来賓の方々にお贈りするコンサートでしたが、私と坂井さんの銘楽堂に対する想いが音楽に溢れ、お客様と一体となって銘楽堂の竣工をお祝いすることができました。
コンサートは私のソロから始まりましたが、私が長年温め続けた「映像と生演奏」というコンテンツをご披露させていただきました。19世紀フランスに興った「ジャポニズム」についての解説付き映像が流れる中、ドビュッシーの音楽を演奏しましたが、「和洋折衷」をコンセプトとする銘楽堂のオープニングにふさわしかったと自負しています。
続く坂井さんとのデュオは、ラフマニノフのヴォカリーズとルービンシュタインのメロディ。ヴォカリーズはチェロが楽器であることを忘れるくらいヴォカリーズ(歌)でした!(ニュアンス伝わりますか?^^;)聞き惚れていたらあっという間に終わっていたという感覚でしたが、もっと弾いていたかったです。
そしてお話も上手な坂井さんがルービンシュタインのメロディの説明を始めた時に、サプライズは起こりました。この曲は坂井さんが幼少期を過ごしたモスクワで出会った曲で、幼い坂井さんが先生の演奏するこの曲を聴き「自分でも弾きたい!」と先生に言ったそうです。そんな坂井さんに先生は「まだあなたには早いけれど、大きくなったらいつか演奏してね」と楽譜をプレゼントしてくれたそうです。
それからずっと、「いつか特別な時に弾こう」と、どこでも弾かずに温存していたとMCで説明する坂井さん。そしてそれを初めて聞き、隣で驚愕する私。そんな大事な曲を銘楽堂のために捧げていただいたことに本当に感激しました。リハーサルの時にも聞いてなかったのでかなり動揺しましたが、おかげで演奏していて感動ひとしおでした。
そしてプログラムの最後はベヒシュタインに所縁のあるリストの作品をピアノソロで演奏し、「世界で最も高貴」と呼ばれるベヒシュタイントーンをご堪能いただきました。
そしてアンコールにチャルダッシュ!セクシーなラッサンと超絶技巧のフリスカに、会場は沸き上がりました。私も華やかアレンジで便乗させてもらい、楽しすぎました!素晴らしい演奏をご披露いただいた坂井さんに、心よりお礼申し上げます。
素晴らしいスタッフにも恵まれ最高のスタートを切ることができた銘楽堂。いよいよ始動です!みなさま、銘楽堂をどうぞよろしくお願い致します!