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2022

12/01

芸術監督日記

2022年11月27日(日)中島剛&望月恭子デュオリサイタル~2台のベヒシュタインの響演~

富士北稜高校のインリーチコンサートの翌日は、一般のお客様に向けた銘楽堂主催公演として、2台のベヒシュタインのデュオリサイタルを開催いたしました。

銘楽堂で2台ピアノは初めての試みで、サロンの空間に対して2台のピアノの音がどのように響くのか、私自身未知の領域で、共演者の中島剛さん、ベヒシュタイン・ジャパンの調律師さん、日本音響エンジニアリングのエンジニアさんと共に試行錯誤を重ねて、最良の音響を探しました。

ピアノを置く位置、2台の距離、可動式音響システムANKHの設置場所によって響きは大きく変わりましたし、カーテンを開けるか閉めるかも悩みどころで、閉めるにしてもお客さんが入った時の吸音を考えると、1階だけ閉めるのか2階も閉めるのか・・・などなど、本当にいろいろなことを想定しながら設営しました。

おかげで、2台のボリュームが耳障りでなく、2台の響きが絶妙に溶け合うポイントを探り当てることができました。銘楽堂の2台のベヒシュタインは、それぞれ全く違う響きを持っています。2台がいい状態で混ざり合うと、何とも色彩豊かで立体的な響きが生まれたことに、非常に感動しました。

実をいうと私の中ではこの子たちの性別や名前まで決まっているのですが、それはいつか機会があればお話しすることもあるかもしれません(笑)

プログラムは、モーツァルト、プーランク、ミヨー、グアスタヴィーノ、ルトスワフスキと非常にふり幅の広い、様々な色の作品をお聴きいただきました。

特にルトスワフスキのクライマックスの盛り上がりは、2台の響きでサロンが膨らんだ風船のように満たされ、演奏していてもその響きに圧倒されました。

AGSが設置されていなかったらと思うとぞっとしますが、やはりこのシステムを導入して間違いはなかったと再確認した瞬間でもありました。

今回本番を迎えるまで、何度もリハーサルを重ね、一緒に音楽づくりをしてくださった中島さんにも、感謝の気持ちでいっぱいです。

たくさんのわがままを聞いていただきました(笑)

わざわざこの日のために、もう一台のピアノの下に設置するANKHを搬入してくださった日本音響の根木さんにも、大変お世話になりました。

最後に、譜めくりをしてくれた白鳥さん、五十嵐さん、2台の調律を担当してくださったベヒシュタイン・ジャパンの野中さん、そして何よりお越しくださいました皆様にも、心からお礼申し上げます!