2023年の銘楽堂の新年は福間洸太朗さんに飾っていただきました!
2021年12月の銘楽堂グランドオープンでVavonaをお披露目いただいてから約1年が経ちましたが、たくさんの素晴らしいピアニストの方々に弾いていただいては調律を繰り返し、1年前よりずっと豊かな響きに成長したVavonaを再び福間さんに弾いていただくことができて、感無量でした。
今回は両日とも同じプログラムで、スクリャービンとラフマニノフの楽曲に福間さんのオリジナルの副題をつけたプログラムをご披露いただきました。
皆さん口々に「副題のおかげで分かりやすかった」と、より音楽に没頭できたご様子で、福間さんだからこそ成せる業だと感銘を受けました。
息もできないというか、息をするのも忘れてしまうくらい演奏に圧倒され、1部のスクリャービンが終わった後しばらく放心状態で立ち上がれず、思わず近くに座っていたお客様と目を見合わせて、無言のアイコンタクトで感動を共有しました。
2部は約50分間の長いラフマニノフのプレリュードの世界が展開されました。
とにかく構成力が凄まじく、福間さんの確固たる解釈と分析によって、作品の並びが壮大なアーチを描くようで、音楽の大河が流れているようでした。
どこに誘われるんだろうという浮遊感に身を任せ、福間さんの音楽に身を委ねていました。
「ピアノを弾く」ということよりも、もっともっと音楽の真髄の部分に福間さんは生きていて、そこから繰り広げられる福間さんの演奏は、ピアノの演奏を聴いているというより音楽の宇宙の呼吸を聴いている、そんな感覚に陥りました。
言葉にするとなんとも陳腐ですが、心震える感動を体感できました。
そして迎えた2日目も、その感動を目の当たりにするという奇跡!
福間さんがお話の中で「スクリャービンの4番のソナタはまだ人間的で、5番は宇宙人的」とおっしゃっていましたが、「福間さん、あなたが宇宙的です」と思わず心の中で呟きました。
公演2日目の1月6日はスクリャービンの誕生日だそうで、そんな特別な日に福間さんのスクリャービンを聴くことができ、サロン内の雰囲気も大変高揚していました。
アンコールも2日目はスクリャービンのお誕生日ということで、1日目のシャンソン「聞かせてよ愛の言葉を」(福間さんご自身編曲)とグリュンフェルト「ウィーンの夜会」に加え、スクリャービンのエチュードもご披露くださいました!
あの凄まじいプログラムの後に圧巻のグリュンフェルトで、金縛りにあいました。
今思い返しても、息を呑む高揚を思い出します。
新年からとてつもない洗礼を受けましたが、また福間さんにお越しいただけるよう、今後とも精進していきたいと思います。
福間さん、お越しくださった皆様本当にありがとうございました!今年も銘楽堂をよろしくお願いいたします!