支援アーティスト弓塲友美子さんのヴァイオリンリサイタルを開催いたしました。
ピアニストは吉原清香さんにご出演いただきました。
まずは弓塲さんの独奏で、テレマンの無伴奏ヴァイオリンのための12の幻想曲第一番とパガニーニの無伴奏ヴァイオリンのための24のカプリスOp.1-5をご披露いただきました。
無伴奏ならではのしなやかで柔軟な歌い回しが際立ったテレマンに始まりましたが、その明るく清々しい音楽に会場が包まれました。
パガニーニでは超絶技巧のなかにも繊細な表現が光り、聴く人を魅了しました。
前半の最後はヴァイオリンとピアノのデュオでショーソンの詩曲。
ロシアの文豪ツルゲーネフの小説「勝ち誇る愛の歌」からのインスピレーションで書かれた作品とのことで、ドラマ性に満ち、幻想的で想像力を掻き立てられる作風がとても印象的でした。
吉原さんとの息の合ったアンサンブルも素晴らしかったです。
後半はヴァインベルクのヴァイオリンソナタから始まりました。
家族を失い、亡命中に投獄され、壮絶な戦禍の時代を生きたヴァインベルクの音楽は、故郷ポーランドに帰りたいという叶わなかった彼の夢、許されない自由への憧れ、そして痛烈な心の叫びが刻まれているのを感じました。
そして平和な現代に生きる私たちに強く深刻なメッセージを投げかけられているようでした。
そしてヴァインベルクに続いて、チャイコフスキーの歌曲「ただ憧れを知る者のみが」を演奏してくださいましたが、その甘美で美しい音楽は前曲からの救済のように心に沁み渡りました。
素晴らしい演奏をご披露くださいました弓塲さん、吉原さん本当にありがとうございました!
平日にも関わらずお越しくださいました皆様にも心より感謝申し上げます。