フランスを拠点にご活躍の鈴木隆太郎さんをお迎えし、ピアノリサイタルを開催いたしました。
〜ショパンとラフマニノフで辿るロマン派の世界〜ということで、ラフマニノフの前奏曲Op.23より抜粋、ピアノソナタ第2番、ショパンバラード全曲というなんとも贅沢なプログラムをご用意いただき、ロマン派の名曲をたっぷりを堪能させていただきました。
ベヒシュタインから奏でられる色彩豊かな音色の変化が実に幅広く、息を呑むように柔らかい弱音から、サロンをいっぱいに満たす壮大なフォルテまでを自在に操り、説得力のある圧巻の演奏をご披露くださいました。
ラフマニノフの演奏からは、ロシアの自然のなかで哀愁を帯びた風が吹いているような風景や、どこからか教会の鐘の音が聞こえてきそうな寒々とした街並みなどが脳裏に浮かんできました。
ショパンのバラードでは、ピアノによって独自のロマン主義における世界観を表現することに傾倒していたショパンの陰と陽の間で移ろう心情を感じることができました。
そしてアンコールにはポンセのインテルメッツォ第一番を演奏してくださいましたが、大曲が並んだプログラムの後にほっと心が和んだひとときでした。
この度鈴木さんにご出演いただけましたこと、大変光栄に思います。
今後のご活躍を心より応援しています!