今年度新規採用の銘楽堂支援アーティスト、春田傑さんのクラリネットリサイタルを開催いたしました。
春田さんの美しい音がサロンいっぱいに広がり、皆様にクラリネットの名曲をご堪能いただきました。
共演していただきましたのは、ピアニストの小澤佳永さん。
プログラムはサン=サーンスとブラームスのクラリネットソナタ、そしてその2曲の間にモリコーネの名曲をメドレーをご用意いただきました。
特にブラームスとサン=サーンスの作品は、このコンサートのサブタイトルにもなっているように作曲家の最晩年の作品ということで、私も作曲家たちの最後の言葉に思いを馳せました。

4つの楽章からなるサン=サーンスのクラリネットソナタはそれぞれの楽章で楽器の特徴がよく引き立てられるように作られていて、特に3楽章のオルガンを思わせるような楽想がとても印象的でした。
ブラームスのクラリネットソナタは、深みのある暖かさ、嘆き、苦悩などさまざまなドラマが繰り広げられ、祈りや回顧で幕を閉じると思いきや、その人生を力強く駆け抜けるかのように全曲を閉じ、春田さんのクラリネットと小澤さんのピアノの対話でブラームスの人生が語られているようでした。

そして曲間での楽器についてなどのお話にも、皆様熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
良いリードと悪いリードの音の聴き比べは、とても興味深かったです。

今年度から採用となった春田さんの活動を、銘楽堂としても誠心誠意応援させていただきたいと思いますので、今後の銘楽堂での出演にも大いにご期待ください!
素晴らしい演奏をご披露下さった春田さん、小澤さん、そしてお越しくださいました皆様、本当にありがとうございました!
