銘楽堂の今年のクリスマスコンサートは、二日間に渡ってYumiba Sisters による2台ヴァイオリンのコンサートをお届けしました!
’Yumiba Sisters’ は支援アーティストの弓場友美子さんとお姉様の多香子さんとのヴァイオリンデュオで、演奏活動において2人で演奏するだけではなく、2本のヴァイオリンのための編曲やオリジナル曲の作曲もされています。
今回もクラシックの名曲からクリスマスにちなんだ曲、そしてオリジナル曲など実に多彩なプログラムをご用意いただきました。
コンサート前半はクラシックの名曲が並びました。パッヘルベルの「カノン」に始まり一気にサロンが温かな雰囲気に包まれるのを感じました。続くテレマンの「カノン風ソナタ」は2人の掛け合いが見事で、テレマンらしい明るさに心が躍りました。


バルトークの「ルーマニア民族舞曲」は私にとってはオリジナルの印象が強い曲でしたが、お二人の編曲は原曲の素晴らしさを残しつつ、2台ヴァイオリンでも奥行きのある響きを探求されているのがよく伝わってきました。民俗舞曲に続きガラリと雰囲気は変わり、クライスラーの「美しきロスマリン」ではウィンナーワルツの独特の3拍子に乗った優雅なワルツが心地よかったです。この拍子感の表現も、姉妹ならではの絶妙な間合いによるものだと感心させられました。
前半の最後はハルヴォルセンの「ヘンデルの主題によるパッサカリア」。ヴァイオリンとヴィオラのために描かれた曲ですが、多香子さんが奏でる麗しく華やかなヴァイオリンの音色、友美子さんが奏でる奥深く重心の低いヴィオラパートの音色、それぞれが織りなす響きが交わり合い、膨らんでいき、壮大なクライマックスには心を打たれました。


コンサート後半はクリスマスにちなんだ曲をご用意いただきました。
チャイコフスキーのクリスマスの定番「くるみ割り人形」より、「序曲」と「トレパーク」。華やかさに勢いが増したところで、ワム!の「ラストクリスマス」。そしてシューマンがクララに送ったクリスマスプレゼントでもある「3つのロマンス」より「第二曲」が続きました。
どれも編曲のセンスが光っていましたが、シューマンのロマンスは中間部のピアノとの掛け合い部分はどう編曲されてれているのだろう?と期待しながら聴き、期待を裏切らない見事な編曲でとても新鮮でした。
そしてコンサート最後は、お二人のオリジナル曲!


日本の童謡「赤とんぼ」のオマージュとも言える作品で、お二人は「時間の経過とともに変化してゆくもの、そして変わらないものを夕やけ空に重ねて、2人のアイディアを合わせて作曲しました。」とおっしゃっていました。
曲中なんとヴァイオリンだけでなく、ピアノ伴奏、そしてピアノ連弾をされる場面もあり、お客様はさぞ驚かれたのではないでしょうか。心のこもった美しいピアノの音色も本当に素敵でした。
アンコールのモンティの「チャルダッシュ」で華やかに締めくくられた今回のコンサート。ご来場くださった皆様の心にも、Yumiba Sistersからの素敵な音楽の贈り物が届いたことと思います。
素晴らしい演奏をご披露くださいました弓場多香子さん、友美子さん、お越しくださいました皆様、本当にありがとうございました。
これで銘楽堂の秋冬公演は全て終了致しましたが、来年の銘楽堂公演にもどうぞご期待ください!
そして皆様、素敵なクリスマスをお過ごしください!

