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2025

06/25

芸術監督日記

2025年6月22日(日)弓場友美子ヴァイオリンリサイタル〜雨の季節に聴くブラームス〜

支援アーティスト弓場友美子さんのヴァイオリンリサイタルを開催いたしました。

共演していただきましたのはピアニストの小澤佳永さん!

2人は弓場さんがが学生時代に知り合いそれからのお付き合いということで、息の合ったアンサンブルをご披露くださいました。

ドイツとアメリカでの留学時代に「ブラームスを弾けるようになりたい!」という信念を持ち研鑽を積まれてきたという弓場さん。

ご自身はサン=サーンスなどのフランス音楽の音色が得意だそうで、ブラームスの重厚な響きは常に課題で探求しいるとのこと。

今回は第一番と第三番のヴァイオリンソナタを演奏してくれましたが、今現時点での彼女の中のブラームスの音楽が、熱い想いと一緒にひしひしと伝わってきて、小澤さんの包み込むように深いピアノと共鳴していました。

共感と興味を引くお話とともにコンサートを進めていただき、サロンの雰囲気も実に和やかで、お客様各々がそれぞれの聴き方でブラームスの音楽に浸っていらっしゃいました。

第一番のヴァイオリンソナタは全楽章を通して付点のリズムが共通して印象的で、第一楽章では軽やかに爽やかに、第二楽章では哀愁を帯び表現されていました。また、ブラームス自身の歌曲「雨の歌」が引用されている第三楽章では、それまでの楽章を含め全体を回想するかのようなドラマ性のある構成力を感じさせる演奏がとても印象的でした。

第三番はブラームス晩年の作品ということもあり、緊張で張りつめた空気の中、孤独感に苛まれる歌い回しや、抒情的で美しくてもどこか憂鬱な表現が際立っていて、それでも最終楽章ではそんな暗い感情を吹き飛ばすような激しく激情迸るお二人の演奏に鳥肌が立ちました。

ブラームスの大曲を堪能させていただいた今回のコンサートでしたが、素晴らしい演奏をご披露くださいました弓場さん、小澤さん、そしてお越しくださいました皆様に心より感謝申し上げます。