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2025

07/02

芸術監督日記

2025年7月2日(水)辻本莉果子ピアノリサイタル〜均衡のゆらぎ〜

支援アーティスト辻本莉果子さんのピアノリサイタルを開催いたしました。

前半は調性にこだわりハ長調とハ短調の作品たちが並べられました。お話してくれた調性のお話も大変興味深かったです。

スカルラッティの「ソナタK.56」はバロックの様式がふんだんに感じられる演奏で、まるでチェンバロやクラヴィコードで奏でられているのではないかと思うくらい巧みなタッチから目が離せませんでした。

クルターグの「’遊戯’よりスカルラッティへのオマージュ」は初めて聴く曲でしたが、つかぬ間の凝縮された世界がとても印象的でした。

続くショパンの「マズルカOp.56-3」では日記のような内省さをもって、ショパンによって芸術音楽へと昇華された民族舞曲を見事に表現されていました。

そして前半最後のシューマンの「アラベスクOp.18」はまるで幻想の世界に迷い込んでしまったのではないかと思うほど、夢見心地で香り高い繊細な表現が光っていました。

後半はハイドンの「ピアノソナタ第13番」とプロコフィエフの「風刺ーサルカズムー」の2曲が並びました。

非常に対照的な作品でしたが、対照的であるからこそ各々の個性と音楽性が際立っていました。

ハイドンのソナタでは即興性に富んだハイドンらしいユーモアや明快さが、プロコフィエフでは無慈悲で攻撃的な皮肉と挑戦を感じることができました。

素晴らしい演奏をご披露くださいました辻本さん、本当にありがとうございました!様々な国際コンクールに挑戦されている辻本さんの今後の活躍を、銘楽堂としても精一杯応援させていただきたいと思います!