支援アーティスト梨本卓幹さんのリサイタルを開催しました。銘楽堂で10回目となる梨本さんのリサイタルでしたが、今回も梨本さんこだわりの選曲で聴く人を楽しませてくれました。
前奏曲というと、短い中にぎゅっと凝縮された世界が詰まっていて、そんな前奏曲を何曲も立て続けに演奏するということは、それぞれの音楽の性格やアフェクトを次から次へと表現していかなければならないということで、一筋縄でできることではありません。
梨本さんは実にわかりやすい解説のお話を交えながら、作品の個々のキャラクターが際立つ素晴らしい演奏を披露してくれました。
聴く側が、楽しくて時間が経つのがあっという間だったと思うほど魅力的な演奏で、彼の好みでの選曲と曲順とのことでしたが、自然で説得力のある構成が見事でした。
リスト、バッハ、ラフマニノフ、ラヴェル、ガーシュウィン、ドビュッシー、ショパンと錚々たる作曲家の名曲が並びましたが、第二部のはじめでは梨本さんお得意の即興も披露してくれました。
即興は四人のお客様から一人ひとつずつ音をもらい、4つの音の音列をテーマに展開していくというものでした。お客様たちがその豪華に発展していく即興に、驚きながらも興味津々に楽しんでいるのがわかりました。
余談ですが、THE ART OF PIANOという20世紀の素晴らしいピアニストたちが登場するDVDがあり(今はYouTubeでも見られるようです)、そのオープニングがジュリアン・ジェーコブソンの演奏するリストの超絶技巧練習曲の「前奏曲」でした。
しばらく見ていませんでしたが、梨本さんが同じ曲でコンサートを始めていたのを聴いて、久しぶりに見たくなりました。
来月も梨本さんはピアノ連弾で出演しますが、今からとても楽しみにしています!
梨本さん、お越しくださいました皆さん、ありがとうございました!