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2022

06/06

芸術監督日記

2022年6月4日(土)、5日(日)梨本卓幹ピアノリサイタル~ドイツを巡る音の旅~

銘楽堂支援アーティストコンサートVol.2として、「梨本卓幹ピアノリサイタル~ドイツを巡る音の旅~」が開催されました。

今年度の銘楽堂支援アーティストコンサートは計6回の開催予定ですが、今回はその第2回目ということで、ドイツの作曲家の作品で構成されたプログラムをご披露いただきました。

最初は6月5日(日)の開催が決まっていましたが、すぐに整理券予定枚数の配布が終了となってしまったため、急遽6月4日(土)の追加公演が決まりました。

コンサートの回数を重ねるたびに銘楽堂で音楽を聴きたいというお客様が増えていくのを、ひしひしと実感しています。

両日とも、プログラムは梨本さんの即興演奏で幕を開けました!舞台に出る直前に袖で待機している際にイメージしたことを奏でてくださいました。

1日目は「銘楽堂の門をくぐり、玄関へと続く緑のお庭」のイメージとのことで、何とも爽やかで清々しく、新緑の香り漂うような即興演奏でした。

そこから続くバッハのフランス組曲第2番。バッハの即興性に通ずるようなプログラムの流れも素敵だなと思いました。音色も表情も豊かで、繰り返し部分で繰り広げられる即興的な装飾も素晴らしかったです。

第一部の最後のプログラムはブラームスの2つのラプソディ。こちらもブラームスの重厚な音楽と繊細な歌心が見事に表現され、息をのむ凄みがありました。

第二部はシューマンの謝肉祭。梨本さんの「サーカスの舞台裏のよう」という表現がすごく面白かったですが、たくさんのキャラクターが登場するこの大作。すべてのキャラクターに命を吹き込むかのように、実に多彩な音楽が次から次へと繰り広げられていくので、30分があっという間で、この作品を初めて聴くお客様たちも大変喜ばれていました!

そして続く2日目。

プログラムの内容は1日目と同じでしたが、一番最初の即興演奏は前日とはまた違うテーマで奏でられました。

2日目のイメージは、銘楽堂の「滝の流れるお庭の池」のイメージとのことで、水のせせらぎのような描写や、きらめく水しぶきの様子が目に浮かぶようでした。透明感のある美しい即興演奏に大変感銘を受けました。

アンコールは両日ともシサスクの星の組曲より「輝く星」とバッハのフランス組曲第5番のアルマンドを演奏してくださいました。

シサスクの作品は6月16日(木)にリリースされる梨本さんのCD 「言の葉 Music」 に収録されている曲なのですが、特殊な奏法を用いて演奏するため、ピアノから聴いたことのないような響きが生まれてきたのには大変驚きました。お客様も奏法にくぎ付けでした。

梨本さんの誠実な人柄、伝える力、人を引き込む魅力、そんな彼のすべての要素がご自身の演奏に現れていると、ここ数か月梨本さんと関わり、演奏を聴くことで感じています。

ますます研鑽を積んで、大きく羽ばたいていかれるよう、銘楽堂もできる限りの応援をしていきたいと思います。

そして、6月16日(木)に発売となる梨本さんのCD「言の葉 Music」も是非多くの方々にお聴きいただきたいです!

演奏が素晴らしいことも然ることながら、ブックレットにも梨本さんの思いがギュッと詰まっていて、心から皆様にお勧めしたいCDですので、どうぞよろしくお願いいたします!